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症例紹介

症例紹介

ワンちゃん・ネコちゃんの耳に寄生するダニについて

はじめに

こんにちは!むらい動物病院です!
4月からお家のワンちゃん・ネコちゃんのノミ・ダニ予防をスタートしたオーナー様も多いかと思います。
山奥や茂みの中に入ると危険!といったイメージが強いですが、実はワンちゃん・ネコちゃんの耳から耳へ寄生するダニもいます。
今回はそんな耳の中に寄生するミミヒゼンダニについてご紹介したいと思います。

耳ヒゼンダニ症とは

犬や猫がしきりに耳をかいたり、頭を振ったりしていることはありませんか?
そんなときに疑われる原因のひとつがミミヒゼンダニの感染です。ミミヒゼンダニは体長0.3〜0.5mmほどのダニで、ワンちゃんやネコちゃんの耳の中に寄生して炎症を起こす耳ヒゼンダニ症を引き起こします。

ミミヒゼンダニは肉眼では見えないほど小さなダニ(動いている様子が見えることもある)で、主に外耳道にすみつきます。耳の中で耳垢や皮膚のかけらを食べて生きており、ワンちゃん同士やネコちゃん同士、ワンちゃんネコちゃんの間でうつるため、多頭飼いのお家では注意する必要があります。

主な症状は?

ミミヒゼンダニに感染すると、以下のような症状がみられます。

・頻繁に耳を掻いたり、頭をふる

・黒っぽい耳垢が大量に付着する

・耳の中が赤くなったり、ただれる

また、稀に耳から体幹にダニが移動したために体を痒がる子もいます。
これらの症状がみられる場合には、早めに動物病院で診てもらいましょう。

診断・治療方法は?

耳ヒゼンダニ症は耳垢の中にいるダニを顕微鏡で直接確認することで診断します。
また顕微鏡を使わなくても、耳垢の中を動くダニが黒い点のように見えることもあります。

治療には、ダニを対象とした駆虫薬(飲み薬や注射薬、ノミダニの予防薬)を使用し、定期的な耳掃除もする必要があります。
またワンちゃんやネコちゃんの間で感染するため、同居の子たちも予防・治療する必要があり、必要に応じて生活環境を分けてあげることも有効的です。

耳ヒゼンダニ症は放置すると、炎症が悪化したり痛みや二次感染を引き起こす場合もあるため注意が必要ですが、適切な治療を行えば予後はとても良いので、早めの対応が重要となります。

おわりに

耳ヒゼンダニ症は、犬や猫にとって非常に痒くて辛い病気です。症状に気づいたらすぐに動物病院へ連れてきてあげてください。
また定期的な耳掃除は耳の中を清潔に保つ上でとても重要です。
お家のワンちゃん・ネコちゃんが元気に過ごせるように、しっかりとケアしてあげましょう!