はじめに
こんにちは!むらい動物病院です!
飼い主様の中には整形外科等で半導体レーザーの治療を受けたことがある方がいらっしゃるかもしれません。
実は動物にも使うことのできる半導体レーザーがあり、当院では積極的に治療に取り入れています。
今回は当院で使用している『飛鳥動物用半導体レーザー治療器H1』(以下、半導体レーザー)についてご紹介したいと思います。
半導体レーザーとは
この半導体レーザーは国産の動物専用レーザー治療器として開発され、高出力3波長セラピーレーザーとしては国内初のものです。痛みや炎症の緩和、組織の再生促進など、さまざまな用途に合わせて使用しています。
この装置は近赤外線光を使用しており、皮膚の表面だけではなく体の深部までしっかりとエネルギーを届けることができます。痛みや熱さはほとんどなく、非侵襲的な治療が可能なことから動物にも優しい治療法です。
【650、810、915 nmの3波長による高い効果】
波長650 nm:表面組織の細胞再生、治療促進、瘢痕組織の修復
波長810 nm:細胞代謝の活性化、鎮痛効果、抗炎症作用、組織修復作用、深部組織への浸達
波長915 nm:酸素量の増強
どんな症状に使えるの?
レーザー治療は幅広い症状に対応することができ、さまざまなケースで使用されています。また、この装置は出力の強さや照射する波長を細かく調整することができ、以下の表のように患部や症状に合わせたプロトコルが準備されています。
当院では、腹腔内の炎症(①)や関節炎(③)で使用することが多いです。
①胸部・腹部モード:胸腔の炎症や膀胱炎や膵炎など
②創傷・裂傷モード
③筋肉・骨格モード:肘関節や膝関節、腰部などの関節炎
④その他:肉芽腫や外耳炎、皮膚炎など
さいごに
半導体レーザー治療は、痛みや不快感、副作用がほとんどなく、動物に優しい治療を提供してくれる心強い治療方法です。当院では、お薬や点滴などと合わせて積極的にレーザー治療を取り入れています。
ワンちゃんやネコちゃんは勿論のこと、鳥さんなどのエキゾチックアニマルにも使用することができる(実は馬にも使えます。)ため、気になるオーナー様はお気軽にご相談ください。